スルガ銀行チャンピオンシップ2017SAITAMAが8月15日(火)に埼玉スタジアム2002で行われ、浦和レッズとシャペコエンセ(ブラジル)が対戦しました。
試合は両者が互いの出方をうかがう静かな立ち上がりとなります。12分、FWラファエル・シルバ選手の浮き球のパスを受けたFW武藤雄樹選手が浦和の最初のシュートを放ちますが得点には至らず、この後も拮抗した展開が続きます。その中で、ホームの浦和が徐々に流れをつかむと、40分に武藤選手がミドルレンジのシュートで、42分にはFKからFWズラタン選手がヘディングで相手ゴールを脅かします。一方のシャペコエンセも黙ってはいません。44分には、FWペニージャ選手のクロスボールにFWトゥーリオ・デ・メロ選手が頭で合わせるなど、先制点への意欲をのぞかせます。
前半をシュート1本で終えたシャペコエンセですが、後半は選手の配置を変更し、徐々に攻勢を強めていきます。ピッチ中央からサイドまで、至るところに顔を出すルイス・アントニオ選手が起点となって攻撃を組み立てると、59分にチャンスが到来。ルイス・アントニオ選手のパスに抜け出したアルトゥール・カイケ選手がシュートを放ちますが、浦和のGK榎本哲也選手の好守に阻まれます。
この後、DFアポジ選手を軸にサイドアタックを仕掛けるシャペコエンセと、粘り強い守備で対応する浦和が一進一退の攻防を展開。試合は0-0のまま終盤へと突入します。88分、試合の流れが変わるプレーが生まれます。浦和のズラタン選手がシャペコエンセのペナルティーエリア内で競り合った際に相手DFに倒されPKを獲得。90+4分、浦和にとって後半最初のシュートを阿部勇樹選手が落ち着いて決め、待望の先制点をもたらしました。
この後、同点を狙って前線に押し上げるシャペコエンセに対し、浦和は体を張った守備を披露。途中から出場したDF遠藤航選手、MF平川忠亮選手も粘り強くボールに食らいつき、相手をフリーにさせません。浦和は終盤に挙げた1点を守り切って、1-0で勝利。大会は3年ぶりに日本チームが勝利し、試合後は両チームの選手が健闘をたたえ合いました。
監督・選手コメント
堀孝史監督(浦和レッズ)
攻守において、我慢する時間が長いゲームでした。攻撃では起点となる場所を見つけて、フィニッシュの一歩手前までいくことはできましたが、そこから先の動き出しや積極性は少し欠けていたと思います。守備は我慢を強いられながらも、ゴール前では粘り強く守ってくれました。失点をせずにゲームを終えられたのは進歩している部分だと思います。ただ、相手のコンディションが整っていない中で、もう少し攻撃の部分で何かを出せれば良かったかなと思いました。
DF #5 槙野智章選手(浦和レッズ)
攻撃面でもっと改善していかなければいけない部分など修正すべき点はありますが、結果に関して言えば、相手の攻撃をゼロに抑えて勝ち切ることができたのは良かったです。堀監督が就任して、練習で積み重ねたものを出すことはできましたし、チーム全員の守備意識も高かったと思います。今後もリーグ戦があるので、普段から堀監督が言っている「粘り強さ」「我慢強さ」「ゼロに抑える」というのをしっかりと意識して、続けていきたいと思います。
ヴィニシウス・ソアレス・エウトロピオ監督(シャペコエンセ)
この試合は王者決定戦にふさわしい内容だったと思います。前半は相手の変則的なフォーメーションに適応するのに時間がかかりました。しかし、前半の終わり頃から我々もバランスが取れて、拮抗した試合になりました。後半はMFの選手のポジションを変更してより前がかりになり、我々もチャンスをつくることができたと思います。今回は選手全員にとって良い経験となりました。チームを代表して、日本の皆さまの歓迎、おもてなしに感謝いたします。
DF #3 グローリ選手(シャペコエンセ)
王者決定戦ということで、守備から試合に入り、手堅いサッカーを実践することを意識しましたが、終盤の失点によって、勝利はつかめませんでした。悔しい結果ですが、浦和レッズは非常に優れたチームでしたし、彼らの勝利を祝福したいと思います。今大会の開催に協力してくださった日本の方々に感謝しています。日本では全てが整備されていて、この試合に向けてスムーズに準備することができました。試合後、われわれに激励の横断幕を掲げてくれた浦和のファンにも感謝しています。もう一度日本に戻ってきて、今度は勝ちたいです。
2017年8月15日(火) 19:00キックオフ
埼玉スタジアム2002
浦和レッズ(日本/2016JリーグYBCルヴァンカップ優勝チーム)
vs
シャペコエンセ(ブラジル/コパ・スダメリカーナ2016 優勝チーム)